面白い新刊で頭を使った話 〜ネット将棋攻略!早指しの極意〜
こんばんは。yuttyです。
この記事は深夜2時過ぎに書き始めています。
こんな時間に将棋の新刊を読んで問題を解き、解説に誤りがあると思ったのでWeb問合せまでしようとしたが、よーく考えると誤りじゃないことが分かった、というお話です。
せっかく頭を振り絞ったので、ここに紹介しようと思います。
ちなみに読んでいる本は大平武洋五段の「ネット将棋攻略!早指しの極意」です(私はKindle版)。
大平五段は2005年に解散したバンドZONEのMAIKOの大ファンで、ZONEの解散ライブと対局日がかぶってしまったため、解散ライブへ行くために全ての手を1手1分未満で指し、持ち時間を1分も使わずに勝利したという、異色のエピソードを持つ先生です。
(自らの持ち時間を1分も使わずに勝利したのは、史上3人目の快挙でした)
私は将棋ウォーズで3分切れ負けを多く指すので、早指しで負けない将棋を指したい!と思い、読んでいました。
頭を使ったのは下記の問題です。
いま第1図は後手が△5八とで、次に△3九角(参考図)からの詰めろをかけた瞬間です。
(注意)以後、9一から6五まで密集している駒は無視して下さい。
【第1図は△5八とまで】
【参考図は△3九角まで】
問題は後手からの詰めろを防ぎ、そして続かないようにするにはどの手を指すか、という内容です。
候補手は▲3九金打、▲2九金、▲5九金打 の三つ。
正解は一つだけで残り二つには負け筋があります。
このブログでは、正解の一手だけ私が頭を使った部分を中心にご紹介します。
(正解以外の二手が気になる方は書籍をご覧下さいね)
・・・・・(考え中)・・・・・
というわけで、ずばり正解は▲2九金(第2図)です!
みなさん正解したでしょうか?
【第2図は▲2九金まで】
この正解に対する解説文で、私は頭を悩ませました。
解説では▲2九金と打てば「△4九とは何でもないし」と書かれた箇所がありました。
第3図は正解の▲2九金に対して△4九ととした局面です。
私にはこれが何でもないように見えず、悩んでしまったのです。
【第3図は△4九とまで】
実際これを放置すると、△3九角(第4図)から詰めろが続いて受けなしになります。
▲同金は△同と(第5図)が△3八とからの詰めろですし、これには適当な受けがありません(▲2九角、▲2九銀、▲1八玉など全てダメ)。
だからと言って第4図から▲1八玉としても、△2八金▲同金△同角成▲同玉(第6図)となり、次に△3九ととすれば、第5図と似たようなもの(持ち駒から金が1枚減っただけ)で詰めろが止まりません。
【第4図は△3九角まで】
【第5図は△3九同とまで】
【第6図は▲2八同玉まで】
以上より解説の「△4九とは何でもないし」というのは誤りで、何でもなくないから▲2九金も不正解なのでは?と頭を悩ませたわけです。
しかしよく考えたら対処策がありました。
第2図の△4九とに対しては▲1八玉(第7図)としておけば、詰めろが続かなくなるわけです。
ここから後手が王手するには△2八金くらいしかありませんが、▲同金で今度こそ何でもありません(▲同玉は△3九角があるからダメですよ!)。
【第7図は▲1八玉まで】
つまり解説にある「△4九とは何でもないし」は、もっと正確に言えば「△4九とは▲1八玉として何でもないし」なのです。
△4九とをそのまま放置すれば、次の△3九角がまずいので注意が必要です。
ただ”何でもないし”という言葉をそのまま飲み込み、放置しても大丈夫と思っていると、それは違うというわけです。
今回の内容は、ブログ読者の皆さんも結果を読んでしまえばなーんだと感じるでしょうし、私の棋力が低いだけで、例えばアマ高段者の方から見れば「△4九とは何でもないし」で十分理解できる話だと思います。
しかし、自分で納得するまで頭を使っていることが棋力向上に大事なのだと考えています。
棋力がまだまだのうちは、将棋の本を読む際は(詰将棋を除いて)、字面をながめるだけでなく将棋盤で駒を動かしながら考えるのが良いと思います。
1つ1つをしっかり納得しながら、なぜそうなるのか自分で腑に落ちるまで考えると、着実に力になるでしょう。
壁にぶつかって時間がかかることもありますが、yutty通信の久々な更新ネタにもなったことだし、結果オーライです(笑)
そんなこんなで引き続きこの本は読み進めます。
早指し将棋に強くなるべし!!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。